コンテンツ制作アクセス解析

大手製造メーカーのサイト内の行動から学ぶ事実|CVに有効なコンテンツとは

ベルフォート株式会社 代表取締役社長

長尾 真介

大手製造メーカーのサイト内経路から学ぶ事実|CVに有効なコンテンツとは

製造メーカーを中心としたBtoBビジネスでは、取引金額が高額になることが一般的です。そのため、入念なウェブサイト戦略を講じても、大型案件の引き合い獲得は非常に難しい課題と言えます。
しかし、その難しさにも関わらず、ウェブサイトを通じた引き合い獲得の可能性は十分にあります。本記事では、弊社がサポート運営するウェブサイトを活用して、大型案件の引き合いを獲得した成功実例に焦点を当て、その経緯を詳しく解説いたします。

ウェブサイトが紡ぐビジネスの可能性「大型製品成形の引き合い獲得事例」

弊社がサポートするプラスチック成形・金型製造を主事業とする製造メーカー様にて、運営するウェブサイト経由で、重要な引き合い相談のお問い合わせが発生しました。相談をしてきた企業は、自動車用部品メーカーの大手企業(ティアワンクラス)であり、具体的な相談内容は、大型部品の量産成形のプロジェクトに関するものでした。

興味深いことに、この企業様との接触は今回が全くの最初のタッチポイントでした。このプロジェクトが成約となれば、おそらくトータルで数千万以上の売り上げ確保が期待できるでしょう。

リアルでの営業担当による訪問はおろか、一度も接触したことのなかった大手企業様から突然引き合い相談が舞い込む…。頻繁ではないにしろ、こうした予測不能な可能性を秘めているのが、ウェブマーケティングの魅力でもあります。

ティアワン企業のサイト内回遊の詳細経路

ここでは、そのティアワン企業が最初に運営サイトに流入してきてから、引き合い相談のコンバージョンに至るまでの具体的なページ回遊経路を可視化して紹介します。弊社が取り扱うMA(マーケティングオートメーション)ツールのデータから、CV(コンバージョン)に至ったターゲットが、どのページを経由しているかの詳細が明確に把握できます。

流入は、SEO効果により、Google検索を経てのソリューションサイトTOPページへ

コーポレートサイトへリンククリックで移動

流入はSEO効果により、Googleの自然検索を経てのソリューションサイトTOPページへの訪問でした。

①「電動式1,800ton射出成形機」の特集ページを閲覧
②「運営会社」の紹介ページを閲覧
③「射出成形品の事例」の紹介ページを閲覧
④「電動式1,800ton射出成形機」の特集ページを再度閲覧
⑤「試作・小ロット」の特集ページを閲覧

ここで、コーポレートサイトへリンククリックで移動。

⑥  コーポレートサイトのトップページを閲覧
⑦「プラスチック製品開発」の特集ページを閲覧
⑧「量産成形」のサービス紹介ページを閲覧
⑨「企業情報」の紹介ページを閲覧
⑩「保有設備」の紹介ページを閲覧
⑪「お問い合わせ」ページに遷移し、案件相談をフォーム送信

このように、2サイトをまたいでのページ回遊を経て、引き合い相談の獲得に至りました。

引き合い相談CV獲得の2つの要因

この成功の要因としては2つポイントがあります。

【要因①】ターゲットの課題を解決する「強みコンテンツ」

まず、ターゲットの課題を解決できる要素を、コンテンツ内にしっかりと盛り込んでいたことです。
「電動式1,800ton射出成形機」という大型部品の量産に対応できることを具体的に訴求することで、「大型の自動車部品の成形」を依頼したいとするターゲットのニーズとマッチさせられました。
さらに、

「デーライト延長というカスタマイズをすることで、より深くて重い製品にも対応できる」
「成形工場内に金型メンテナンス設備が完備しているので、金型改修からトライ成形のサイクルが圧倒的に短くできる」

といった、他社にはない強みを丁寧に伝えていたことが成功のカギだったのでしょう。

【要因②】高額取引のためのカギは「信頼構築コンテンツ」

もう一つのポイントは、サイト上でターゲットの信用を確立できたことです。
高額な取引ほど、依頼先企業に対する信用の重要度は高まります。依頼先企業のサービスの詳細だけでなく、

「過去にどんな成形品の実績があるか?」
「どのような企業と取引があるのか?」
「会社の規模や全国の拠点数、設備環境はどうか?」

などを、サイト上のコンテンツから入念に確認しようとするターゲットの、積極的な行動がデータからうかがえます。
最終的に、「この大型部品成形の案件を依頼しても大丈夫な企業だ」という確信を得ていただけたことで、引き合いCVに落とし込むことができたのでしょう。

統計データが明かすBtoB商材での購買行動の真実

ここで一つ、今回の事例の裏付けの助けになる統計データを紹介します。

78%の顧客が営業担当と会う前に製品の絞り込みを終えているという調査結果があります。

調査資料:BtoB製品購入プロセスにおけるWebマーケティングの重要性(2023年)
調査対象:BtoB製品・サービスの購入に関わっている方
調査時期:2023年6月~7月
調査方法:インターネットリサーチ
調査機関:株式会社グリーゼ
有効回答:スクリーニング調査4304 本調査441(数)
https://gliese.co.jp/success/report/btob-web2023.html

 

上記のデータによれば、BtoB商材において約78.5%のユーザーが、「営業担当者と商談を始める前には、既に製品を絞り込んでいる」という事実が浮かび上がります。言い換えれば、新規企業からのお問い合わせがある時点では、多くの場合、既にユーザーはウェブサイトなどを確認した上で、自社との取引を積極的に検討し、製品の選定や購入を決断している可能性が高いと考えられます。

逆に言えば、ウェブサイト上でユーザーが「購買意思決定」するためには、期待値を高める十分な情報が提供されていなければなりません。この意味では、特に製造メーカー様がウェブサイト戦略で成功を収めるには、いかに自社に関する詳細な情報をウェブ上で発信できるかがカギになるのです。

製造メーカー様がウェブ戦略を成功させるために

製造業界は専門性が高く、メーカー様固有の技術や知識を、ウェブサイト上のコンテンツに展開することは容易ではありません。また、業界特有の商流への理解や基礎的な知識が無くては、ターゲットの集客からお問い合わせに繋げるまでの、精度の高いウェブ戦略をプランニングすることはままならないでしょう。

その点、弊社ベルフォートは、代表である私の金型設計の実務経験と、特に樹脂成形・金型製作・自動化機械の製造現場で得た経験や知識を、サービスに組み込んでおります。そして実際に、製造メーカーのお客様にて、ウェブサイトの制作から運用までの成功実績もございます。

ウェブサイトの効果でお悩みの製造メーカー経営者様へ

ウェブサイトの効果でお悩みの経営者様、ベルフォート株式会社までお気軽にお問い合わせください。また、弊社にいただくお問い合わせの中でも、よくある質問もご用意しています。お役立ちいただければ幸いです。

 

 

このコンテンツの著者

長尾 真介

ベルフォート株式会社 代表取締役社長

2004年、グラフィックデザイナーとして広告代理店に就職。2007年よりウェブデザイナーに転職し、以降ウェブとグラフィック両方のデザイン実務経験を積む。
2012年にウェブ解析士、2013年に上級ウェブ解析士の資格を取得したことで、ウェブマーケティングの業務に傾倒。マーケティング提案からウェブサイト企画、デザインまで一貫したディレクションを担う。

2016年、プラスチック成形メーカーの金型部門で、ブロー成形金型の設計に転職。主に自動車のガソリンタンク型を担当し、設計業務だけにとどまらず、最終的にチームリーダーとしてプロジェクト全体のディレクションまでを担当。
2019年9月に独立・創業し、製造業界をターゲットにしたウェブマーケティングサービスをスタート。2年後の2021年10月に法人化し、現在に至る。

【保有資格】
(一社)ウェブ解析士協会認定「上級ウェブ解析士」
(一社)全日本SEO協会認定「認定SEOコンサルタント」
(一社)ウェブ広告協会認定「ウェブ広告エキスパート Silver」
(一社)ウェブ解析士協会認定「初級SNSマネージャー」

このページをシェア

  • 大変革期の製造業界にWEB&DXで成果を出す 株式会社BEL.FORT