アクセス解析SEOコンサル

ヒートマップ解析で「誤クリック」を有益なアクションへ転換!滞在時間延長でSEOに寄与

ベルフォート株式会社 代表取締役社長

長尾 真介

ヒートマップ解析で「誤クリック」を有益なアクションへ転換!滞在時間延長でSEOに寄与

公開されたコンテンツページがどの程度熟読されているのか?、また、有効なクリックをどれだけ促せているのか?といった、ユーザーの満足度を測る上で、ヒートマップツールは非常に有効な手段です。このツールを活用することで、ページ上でのユーザー行動の詳細を可視化し、どのコンテンツが注目されているか、または見過ごされているかを明確に把握することができます。

本記事では、特にヒートマップが明らかにしたページ上の「誤クリック」を、どのようにしてクライアントにとって「有益なクリック」へと変換できるのかについて、弊社が実施した施策事例を通じてご紹介いたします。

ヒートマップで発見!誤クリックが示すユーザーの隠れたニーズ

公開済みのページを分析する際、度々ヒートマップツールを用いてクリック状況を確認すると、特にリンク設定を施していないテキストなどに、クリックが集中していることがしばしば発見されます。この傾向は、下記の弊社運営の製造系オウンドメディアページを例に取ってみても顕著です。

誤クリックのサンプル画像

これらのクリックは一見するとただの誤クリックと見過ごしがちですが、ユーザーの立場に立ってコンテンツを再度読み返してみることで、ユーザーの隠された深いニーズが存在していることが分かります。

【事例】誤クリックから読み解く「ユーザー需要」

事例として取り上げるページは、プラスチック成形プロセス中に発生する成形不良、特に「ヒケ」の問題に焦点を当て、その対策を紹介するものでした。このページにおいて、特に誤クリックが集中していたのは、「成形時にヒケを抑える3つの改善策」を紹介している箇所で、内容は簡素な箇条書きで言及されていました。

成形時にヒケを抑える3つの改善策」を紹介している誤クリックの箇所

このことから、ユーザーが「ヒケを抑える改善策」について、より詳しい情報を求めているという仮説が立ちます。

この仮説が正しい場合、ユーザーのこの「より詳しいヒケ対策に関する情報を求める」というニーズを満たすことは、誤クリックを自社にとって有益なクリックへと変換する絶好の機会となります。

【事例】CTA最適化で誤クリックからハウスリスト獲得に変換

このヒートマップツールから得られたデータを基に、ユーザーの誤クリックを有益なクリックへと転換するための施策として、弊社はホワイトペーパーのダウンロードを通じた、「顧客のハウスリスト獲得」を提案しました。

まず「ヒケを抑える改善策」に焦点を当て、その原因から技術的な改善方法に至るまでを詳細に解説したPDF形式の冊子、つまり「ホワイトペーパー」を作成します。このホワイトペーパーは、ユーザーがフォームに自身の情報を入力し送信することでダウンロード可能となり、その過程で自社側は、ユーザーの個別情報を得られる仕組みが構築できます。

用意したホワイトペーパー

※上記は「ヒケを抑える改善策」についてより詳しくまとめたホワイトペーパーの一部

ホワイトペーパーのダウンロードページ

※上記は制作したホワイトペーパーをダウンロードできるフォームページ

 

そして、このダウンロードページへのリンクを、誤クリックが頻発していた箇所に設置します。テキストリンクだけでなくバナーを用いたリンクも設置し、より多くのクリックを誘発できる「CTA(行動喚起)」にて、誤クリックを有益なクリックへと変換します。

ホワイトペーパーダウンロードページへのリンクを、以前誤クリックが頻発していた箇所に設置

【成果】誤クリック減少と有効クリック増加

施策実施後のクリック状況をヒートマップで確認したところ、以前発生していた誤クリックの数が著しく減少し、代わりにテキストリンクやバナーリンクへのクリックが発生していることが明らかになりました。

テキストリンクやバナーリンクへのクリックが発生している

 

さらに、この対策を行う前後でユーザーエンゲージメントの数値を比較した結果、ページ内の有効クリックの数と率が、確実に上昇していることが確認できました。

この数値の向上は、ホワイトペーパーのダウンロード数の増加にも寄与し、多くのハウスリスト獲得に貢献する結果となりました。

ページ内の有効クリックの数と率が、確実に上昇

【SEO効果】有効クリックを通じたサイト滞在時間の延長効果

有効なクリックを増やすことは、SEO効果を高める上でも極めて重要です。

サイト内でのクリック数が増加するということは、ユーザーのエンゲージメントが向上している証拠であり、特にサイト内での滞在時間が長くなることに直結します。

このようなユーザー行動は、サイトのコンテンツが高品質であることを示す証明となり、検索エンジンによるサイト評価の向上に寄与します。つまり、ユーザーの関与を深め、彼らをサイト内で長く留めることは、SEO効果を高めるための重要な戦略となるのです。

ウェブサイトの効果でお悩みの製造メーカー経営者様へ

弊社はこれまで長らく製造メーカー様のウェブ戦略を支援して参りました。高い専門性を持つサービスであっても、製造現場での実践経験と、数多くの製造系コンテンツサイトの運営経験が、弊社の強みとなっています。

自社サイトにおいて、特にウェブ広告やSEOなどの集客にお悩みの経営者様、どうぞお気軽にお問い合わせください。弊社の経験と専門知識を活かし、お客様のウェブ戦略に対する最適なサポートを提供いたします。

 

 

このコンテンツの著者

長尾 真介

ベルフォート株式会社 代表取締役社長

2004年、グラフィックデザイナーとして広告代理店に就職。2007年よりウェブデザイナーに転職し、以降ウェブとグラフィック両方のデザイン実務経験を積む。
2012年にウェブ解析士、2013年に上級ウェブ解析士の資格を取得したことで、ウェブマーケティングの業務に傾倒。マーケティング提案からウェブサイト企画、デザインまで一貫したディレクションを担う。

2016年、プラスチック成形メーカーの金型部門で、ブロー成形金型の設計に転職。主に自動車のガソリンタンク型を担当し、設計業務だけにとどまらず、最終的にチームリーダーとしてプロジェクト全体のディレクションまでを担当。
2019年9月に独立・創業し、製造業界をターゲットにしたウェブマーケティングサービスをスタート。2年後の2021年10月に法人化し、現在に至る。

【保有資格】
(一社)ウェブ解析士協会認定「上級ウェブ解析士」
(一社)全日本SEO協会認定「認定SEOコンサルタント」
(一社)ウェブ広告協会認定「ウェブ広告エキスパート Silver」
(一社)ウェブ解析士協会認定「初級SNSマネージャー」

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