製造系ウェブサイトでの顧客獲得のカギ|マイクロコンバージョンの設定
ベルフォート株式会社 代表取締役社長
長尾 真介
1ページ分のウェブコンテンツを制作することは簡単なことではありませんが、それはすべて、サイトに訪問してくれたユーザーを「顧客」へと昇格させるための、非常に価値ある施策です。
しかし、特に製造業界では取引金額が高額になりがちなので、ウェブコンテンツがユーザーを顧客に変える、つまり「引き合い獲得」というコンバージョンを得ることは、なかなかハードルの高いことでしょう。
そこで重要になってくるのが「マイクロコンバージョン」です。
マイクロコンバージョンとは、大きなコンバージョンに繋がるための小さな成功やアクションを指し、これを通じて顧客獲得のプロセスをスムーズに進めることが可能となります。
本記事では、ウェブ戦略における「マイクロコンバージョン」という考え方に焦点を当て、その重要性と設定事例を紹介いたします。
目次
ユーザーの「態度変容」のポイントをマイクロコンバージョンに設定
まず考え方の基本となるのは、自社サービスを展開する市場において、自社の認知を拡大させることでしょう。
射出成形事業を営む会社を例に挙げてお話しすると、「射出成形」にニーズを持つユーザーに、自社の存在を知ってもらうことは、顕在的な見込み顧客を獲得するにふさわしい事象と言えます。すなわち、それが顧客昇格への第一歩となります。
「射出成形にニーズがあり、かつ自社を知らなかったユーザーに、自社の存在を知ってもらう」という態度が変化するポイント
このユーザーの「態度変容」をマイクロコンバージョンとして数値管理し、KPIとして設定することが、製造メーカーの顧客獲得への効果的な道筋を築くことになります。
マイクロコンバージョン施策の事例を紹介
弊社が運営サポートする製造系ウェブマーケティング戦略での、マイクロコンバージョン施策をご紹介します。
ユーザーの「送客」をマイクロコンバージョンのポイントとする
まずオウンドメディアでは、SEOを中心とした集客施策を行い、ランディングしてきたユーザーを一人でも多くコーポレートサイトまたはソリューションサイトへ送客します。オウンドメディアでは、ここのポイントをKPIとしています。そしてコーポレート・ソリューションサイトでの引き合い獲得のCVが、最終目的の「顧客への昇格」となります。
要するに、この製造メーカー様のウェブ戦略では、オウンドメディアからコーポレート・ソリューションサイトへの送客をマイクロコンバージョンとして運営しており、つまりこれは、射出成形ニーズのあるユーザーに、自社を認知させるという「態度変容」ポイントになります。
マイクロコンバージョンの増やし方
オウンドメディアにおいて、このマイクロコンバージョン数を増やすことは、意外にも難しくありません。例えば下図のように、コンテンツ内で、そのままコーポレートサイトへ誘導できるような場所へ送客リンクをはります。サイト内にコンテンツ量が多いほど、そういった箇所はたくさん見つけられるので、積極的にはります。
一時期、サイト内のコンテンツが一定数蓄積できた状態でコンテンツ改修を行った際、送客リンクを出来る限り設置したところ、マイクロコンバージョン数が劇的に伸びました。
この経験から、コンテンツ内に戦略的にリンクを配置することで、ユーザーの流れを促進し、マイクロコンバージョンの増加につながることが確認されました。戦術的なアプローチを通じて、サイトの改善が成果に結びつくことが分かります。
マイクロコンバージョンの設定は優良見込み顧客の選別
この送客ルートを通ってコーポレートサイトに訪問してきたユーザーは、非常に「いいお客様」で、まさにニーズの高い顕在見込み顧客と言えます。
それが証拠に、コーポレートサイトにおける流入元別での「引き合い相談」のコンバージョン率を比較すると、このオウンドメディアから送客されてきたユーザーによるコンバージョン率が、圧倒的に高いことが分かります。
また同じように、オウンドメディアからソリューションサイトに送客されてきたユーザーによるコンバージョン率の数値も、他の流入元と比較し、特段に高い数値を出しています。
つまり、マイクロコンバージョンを経由したユーザーは、顧客として昇格させやすいユーザーと言え、このマイクロコンバージョンの母数を増やすことが、効率よく引き合い獲得ができる方法と言えるのです。
製造メーカー様のウェブサイト戦略成功のカギ
製造業のような主にBtoBビジネスによる取引は、高額案件になるケースが多いです。そのような状況でウェブサイトにファーストタッチで訪問してきたユーザーが、即、引き合いのコンバージョンを起こすことは稀でしょう。
本記事でご紹介した弊社がサポートする製造メーカー様の例では、オウンドメディアでは出来る限り多くの集客数を稼ぎ、できるだけ多くのユーザーをコーポレートサイトに送客。そしてコーポレートサイト・ソリューションサイトでは、引き合いのコンバージョンを獲得。
それぞれのサイトに明確な役割を持たせ、全体で「顧客獲得」の目的を果たす。その実現のために、段階的なゴール、いわゆるマイクロコンバージョンを設け管理し、KPIとして数値上昇に尽力する。これが、製造メーカー様のウェブサイト戦略成功のカギとなります。
ウェブサイトの効果でお悩みの製造メーカー経営者様へ
製造業界は専門性が高く、必要な知識や用語も豊富なため、ウェブサイト上のコンテンツとして形にすることは容易ではありません。しかし、専門性が高いからこそ、コンテンツの信頼性がユーザーに認められた際、顧客への昇格の可能性は間違いなく向上します。
ウェブサイトの効果でお悩みの経営者様、ベルフォート株式会社までお気軽にお問い合わせください。また、弊社にいただくお問い合わせの中でも、よくある質問もご用意しています。お役立ちいただければ幸いです。
このコンテンツの著者
長尾 真介
ベルフォート株式会社 代表取締役社長
2004年、グラフィックデザイナーとして広告代理店に就職。2007年よりウェブデザイナーに転職し、以降ウェブとグラフィック両方のデザイン実務経験を積む。
2012年にウェブ解析士、2013年に上級ウェブ解析士の資格を取得したことで、ウェブマーケティングの業務に傾倒。マーケティング提案からウェブサイト企画、デザインまで一貫したディレクションを担う。
2016年、プラスチック成形メーカーの金型部門で、ブロー成形金型の設計に転職。主に自動車のガソリンタンク型を担当し、設計業務だけにとどまらず、最終的にチームリーダーとしてプロジェクト全体のディレクションまでを担当。
2019年9月に独立・創業し、製造業界をターゲットにしたウェブマーケティングサービスをスタート。2年後の2021年10月に法人化し、現在に至る。
【保有資格】
(一社)ウェブ解析士協会認定「上級ウェブ解析士」
(一社)全日本SEO協会認定「認定SEOコンサルタント」
(一社)ウェブ広告協会認定「ウェブ広告エキスパート Silver」
(一社)ウェブ解析士協会認定「初級SNSマネージャー」